謹んで新春のお慶びを申し上げます。
皆様、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は、当院をご愛顧いただき誠にありがとうございました。本年も地域の皆様が「一生自分の歯でおいしく食事ができる」よう、スタッフ一同、より一層の技術向上と丁寧なカウンセリングに努めてまいる所存です。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、皆様はお正月をどのようにお過ごしになられましたでしょうか?
ご家族で豪華なお節料理を囲んだり、こたつでゆっくりとお餅やみかんを楽しんだりと、心穏やかな時間を過ごされた方も多いかと思います。しかし、こうした「お正月ならではの生活習慣」は、実は歯や歯ぐきにとって大きな負担がかかりやすい時期でもあるのです。
今回は、新年最初のブログとして、お正月明けに気をつけたいお口のトラブルや、2026年を最高の笑顔で過ごすための「お口の健康計画」について詳しくお話しさせていただきます。
1. 「お正月明け」に急増するお口のトラブルとは?
毎年、1月の診療が始まると「詰め物が取れた」「歯が痛み出した」という急患の方が多くいらっしゃいます。なぜお正月明けにお口のトラブルが増えるのでしょうか。
① お餅や粘着性の高い食べ物による影響
お正月といえば「お餅」ですが、このお餅の粘り気がくせものです。以前から治療してあった詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)が、お餅の粘着力によって引っ張り上げられ、外れてしまうケースが非常に多いのです。
特に、長年使用している詰め物は、中のセメントが経年劣化していることがあり、そこへお餅の力が加わると簡単に脱離してしまいます。「痛みがないから」と放置すると、露出した部分から二次的なむし歯(二次カリエス)が急速に進行するため、早急な受診が必要です。
② ダラダラ食べによる「お口の酸性化」
お正月は、朝から晩まで何かしら食べている、いわゆる「ダラダラ食べ」になりがちです。通常、お口の中は唾液の力(緩衝能)によって中性に保たれていますが、物を食べるたびに酸性に傾き、歯のエナメル質が溶け出す「脱灰(だっかい)」が起こります。
食後に時間が空けば、唾液によって再石灰化が行われますが、常に食べ物が口に入っている状態では再石灰化が追いつかず、むし歯のリスクが飛躍的に高まってしまいます。
③ 生活リズムの乱れと免疫力の低下
夜更かしや暴飲暴食など、生活リズムが乱れるとお体の免疫力が低下します。すると、お口の中に潜んでいた歯周病菌が暴れ出し、歯ぐきが腫れたり、痛みが出たりすることがあります。「お正月明けに歯ぐきがムズムズする」という方は、疲れからくる歯肉炎のサインかもしれません。
2. 2026年の目標に「予防歯科」を取り入れよう!
新年を迎え、「今年こそはダイエットを成功させる」「運動を習慣にする」といった目標を立てられた方も多いでしょう。その目標リストの中に、ぜひ**「お口のメンテナンス」**を加えてみませんか?
「痛くなってから行く」から「痛くならないために行く」へ
日本の歯科受診の多くは、まだ「痛みが出てから」という段階です。しかし、痛みが出ている状態では、すでにむし歯や歯周病がかなり進行しており、治療には時間も費用もかかります。最悪の場合、歯を抜かなければならないこともあります。
欧米の予防先進国では、「美容院に行く感覚」で定期的に歯科検診を受けるのが当たり前です。その結果、80歳になっても自分の歯を多く残している人が非常に多いというデータがあります。
2026年は、これまでの「治療中心」の考え方から、お口の健康を維持する「予防中心」の生活へとシフトする絶好のタイミングです。
3. 全身の健康はお口から!驚くべき「お口と体の関係」
近年の研究で、お口の健康状態が全身の病気に深く関わっていることが明らかになっています。「たかがお口のこと」と侮ることはできません。
歯周病と糖尿病の関係
歯周病は、糖尿病の「第6の合併症」と言われるほど密接な関係があります。歯周病による炎症物質が血液中に入り込むと、インスリンの働きを阻害し、糖尿病を悪化させることがわかっています。逆に、歯周病治療を行うことで血糖値が改善するという報告も多くあります。
心疾患や脳血管疾患のリスク
歯周病菌が血管内に入り込むと、血管壁に動脈硬化を誘発する物質を作らせ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めると言われています。
認知症との関わり
「よく噛むこと」は脳への刺激になります。歯を失い、噛む刺激が減ってしまうと、認知症の発症リスクが高まるという研究データもあります。いつまでも若々しく、聡明でいるためにも、しっかり噛めるお口を維持することが不可欠です。
4. プロに任せる「プロフェッショナルケア」の重要性
毎日の丁寧なブラッシング(セルフケア)は基本ですが、それだけではどうしても落としきれない汚れがあります。それが「歯石」や「バイオフィルム」です。
歯石はブラッシングでは落ちない
唾液中の成分とプラーク(歯垢)が結びついて硬くなった歯石は、石のように硬く、一度ついてしまうと歯ブラシでは絶対に落ちません。これを放置すると、歯肉炎を悪化させる原因となります。
バイオフィルム(菌の膜)の除去
キッチンやお風呂のヌメリのような「バイオフィルム」が歯の表面にも形成されます。これは強力なバリアとなっており、抗菌剤なども届きにくい状態です。歯科医院での専門的なクリーニング(PMTC)によって、この膜を物理的に破壊し、除去する必要があります。
5. 今日からできる!お正月明けのセルフケアポイント
明日からの生活で意識していただきたい、お口の健康を守るための3つのポイントをお伝えします。
- 「間食の時間を決める」
お口の中をリセットする時間を作りましょう。ダラダラ食べを卒業し、メリハリのある食生活を心がけてください。 - 「デンタルフロスや歯間ブラシを使う」
歯ブラシだけでは、歯の汚れの約6割しか落とせないと言われています。残りの4割は歯と歯の間にあります。1日1回、就寝前だけでもフロスや歯間ブラシを通す習慣をつけましょう。 - 「たっぷり水分を摂る(水や茶)」
冬場は空気が乾燥し、暖房の影響でお口の中も乾きがちです。唾液が減ると自浄作用が低下するため、こまめに水分を摂ってお口の中を潤しましょう。※砂糖入りの飲み物は控えめに。
結びに:2026年を最高の笑顔で過ごすために
最後までお読みいただきありがとうございます。
お口の健康は、美味しいものを食べる喜びだけでなく、全身の健康、そして人とのコミュニケーションにおける自信にもつながります。
「最近、歯科医院に行っていないな」という方や、「特に痛みはないけれど、お正月にお餅をたくさん食べたな」という方は、ぜひこの機会に検診にいらしてください。
私たちは、皆様が10年後、20年後も「自分の歯で笑える」未来を全力でサポートいたします。
2026年が皆様にとって、健康で笑顔あふれる素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。










